サイレン付きの重荷輸送 (Sueddeutsche Zeitung , 2009年8月26日付け)
肥満患者増加で高額の投資
やや想像しやすい比喩をしてみれば、250キロというのは、ピアノ一台の重量である。だが、体重がそれくらいのひともいる。例えば、ノイウルム市の、一人の集中治療患者の女性はそうである。彼女は何週間も前から、近くのウルム市への転院を待っている。何故ならば、普通の救急車、特にその担架がピアノ並みの体重に適していないからである。そのため、バイエルン州赤十字はレーゲンスブルグ市から特別に救急車を取り寄せなければならない。
バイエルン州では今後、こうした手間がかからなくなる。肥満患者の増加に対応するために、州赤十字は26台の「重荷用救急車」を購入する。14万ユーロ(役1876万円)もかかるこの特別車両を、2010年から救急区域ごとに1台配備する方針だが、そうしない限り、(患者搬送における)ネックに対応出来なくなるという。赤十字の他の州組織でも同様の問題が生じている。(中略)2008年食生活調査によれば、ドイツ人の五人に一人が極度の肥満体であり(中略)、肥満患者の数は特に少年を中心に、継続的に増加している。この実態は、本人に糖尿病や高血圧などの疾患を起こさせるだけではなく、保健体制にも大きな課題を与えている。
例えば、赤十字献血部門のディユッペ氏は、「私たちの担架の最大荷重は125キロです」と言う。献血を希望する全ての人にその機会を与えたくても、125キロ以上の体重で担架の脚が曲がるから、耐過重200キロの特別な担架を導入した。その上、ゆかに横たわっている人から採血できるように従業員に研修をしている。
派出業務よりはるかに影響が大きいのは病院である。ドイツ病院協会のヴォスニツカ氏は「肥満な人が増加していることが問題となっている」と言う。まず病棟では体重150キロ以上の患者を収容出来る特別なベッドが要る。もっと費用がかかるのは診察設備である。超音診察やレントゲンの装置は肥満患者に適応していない場合が多いからである。「極めて困難となるのはCT(コンピュータ断層撮影)である。」とヴォスニツカ氏が言う。患者を特別なCT装置を持つ病院に搬送しなければならない。「緊急な場合は獣医科病院に頼む。」とハンブルク大学病院の外科医マン氏が表明。ハブルグでは、新しい中央病院の建設の際、強化手術台の整備にこだわったという。その価格は通常のものより一段と高いが、その代わり450キロまでの荷重に耐えられる。「以前の手術台は150キロまでしか使用できず、不十分だった」とマン氏が語る。
「現時点では、多大の上乗せ費用を病院が自ら全額負担している。」とヴォスニツカ氏が訴える。問題は、病院の報酬制度は、個別の介護費用を反映させない患者ごとの定額報酬という形をとっていることである。ガンやHIVなど複雑な治療の場合のみ、特別料金が設けられている。ヴォスニツカ氏が言う:「こうした料金を肥満患者においても導入してほしい。」病院協会は、報酬制度についての今後の交渉で、この要請を提起する方針である。
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